坐薬は、熱や痛み、便秘などの症状を和らげるために、肛門や膣に挿入して使う薬です。内服薬と違い、消化管を通らずに直接吸収されるため、胃腸への負担が少なく、効果が早く現れます。しかし、正しい使い方や保管方法を守らないと、効果が十分に得られない場合や、薬が変質するおそれがあります。ここでは、坐薬の使い方と保管方法、注意点について解説します。
坐薬の使い方
- 手を清潔にする
挿入前に石けんで手を洗い、清潔な状態で行いましょう。 - 包装を外す
坐薬はアルミやフィルムで包まれていることが多く、包装を破って薬を取り出します。力を入れすぎてつぶさないように注意します。 - 尖っている方から入れる
坐薬は先のとがった方から挿入します。その方がスムーズに入り、違和感も少なくなります。
挿入がスムーズにいかない場合は先を少し濡らしたり、温めて溶かすと効果的です。 - 挿入の姿勢
横向きになり、膝を軽く曲げる姿勢がおすすめです。小児の場合は仰向けにして膝を抱える形でも可。 - 深く入れる
大人では約2〜3cm、小児では指の第一関節程度を目安に挿入します。浅いとすぐに出てしまいます。 - 挿入後はしばらく安静に
すぐに動くと薬が押し出されやすくなります。数分間は横になって安静にしましょう。
保管方法
- 冷蔵庫で保管
坐薬は体温で溶けやすいため、基本的に冷蔵庫(1〜10℃)で保管します。室温が高いと変形や溶解の原因になります。 - 凍結は避ける
凍らせると成分が分離したり、形が崩れたりするため、冷凍庫には入れないでください。 - 子どもの手の届かない場所に
誤って口に入れてしまわないよう、保管場所には注意が必要です。 - 期限を守る
使用期限を過ぎたものは効果が落ちたり、安全性が担保されない可能性があります。
注意点
- 便意がある場合は、排便後に使用しましょう。
- 挿入時に痛みが強い場合は、医師や薬剤師に相談してください。
- 使用後に強いかゆみや発疹が出た場合は、アレルギー反応の可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。
正しい使い方と保管を守ることで、坐薬は効果的に症状を和らげることができます。薬剤師に相談しながら、安全に活用しましょう。
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