痛くない?インフルエンザワクチン 小児の鼻スプレー型インフルエンザワクチン「フルミスト」をやさしく解説

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フルミストってどんなワクチン?

  • 針を使わず鼻にシュッと噴霧して接種するタイプ(経鼻投与)の生ワクチンです。
  • 日本では2023年に製造販売承認、2024/25シーズンから本格的に医療機関で接種が始まりました。2024年の承認事項変更により、**A型×2株+B型×1株の「3価」**製剤として供給されています。医療法人社団 森川小児科|学園都市

だれが受けられる?(対象年齢と回数)

  • 対象年齢:2歳以上19歳未満
  • 接種回数:1シーズンに1回0.2 mL=左右の鼻に0.1 mLずつ噴霧)
    注射型ワクチンと同様に、流行前(秋~初冬)に受けるのが一般的です。KEGG

どんな人に向いている?

  • 注射が苦手」「痛みが心配」というお子さんに選ばれやすい選択肢。
  • 鼻粘膜で免疫が立ち上がるしくみで、自然感染に近い免疫反応を期待できる点も特徴です(生ワクチンの性質)。※どちらが絶対に優れているというより、“注射”か“鼻スプレー”かの選択肢が増えたと考えてください。

受けられない人・注意が必要な人

以下は添付文書の要点です。該当する場合は医師と必ず相談してください。KEGG

  • 禁忌(接種しない):
    発熱中/重篤な急性疾患/ワクチン成分でアナフィラキシー歴/明らかな免疫不全や強い免疫抑制治療中妊娠中 など。
  • 注意が必要:
    重い喘息や喘鳴のある人、卵・ゼラチンなどに強いアレルギーのある人、心・腎・肝の持病、けいれん既往、2歳未満は適応なし など。
  • 接種後の生活での注意:
    生ワクチンのため接種後1~2週間は重度の免疫不全の方との密接な接触を可能な限り避ける
    また抗インフルエンザ薬(オセルタミビル等)を前後で使うと効果が落ちる可能性があります。サリチル酸系(アスピリン等)・一部NSAIDsライ症候群との関連が指摘されており併用注意です。自己判断での服用は避け、医師の指示に従いましょう。KEGG

効果は?(国内試験の概要)

国内第III相試験(2~19歳、910例)で、フルミスト群はプラセボ群に比べて発症リスクを約29%低減という結果が示されています(流行株の内訳で差はあります)。ワクチンは「発症を完全にゼロにするもの」ではありませんが、発症や重症化のリスクを下げることが目的です。KEGG

よくある副反応(頻度のめやす)

添付文書に記載された頻度より、日常で見られやすいものを抜粋します。KEGG

  • 鼻症状:鼻づまり・鼻水(約6割)、鼻咽頭炎、のどの痛み
  • 全身症状:発熱、頭痛、だるさ、筋肉痛、食欲低下、下痢・腹痛 など
  • 重篤なものとしてアナフィラキシー(頻度不明)に注意。接種後は医療機関の指示に従い、30分程度の経過観察が推奨されます。
  • 豆知識:接種後しばらくは、ワクチン由来ウイルスが鼻腔から検出されることがあります。まれにインフルエンザ迅速検査が陽性になることがある点も覚えておくと安心です。KEGG

注射型との違いをざっくり

項目フルミスト(鼻スプレー・生ワクチン)注射(不活化ワクチン)
投与方法鼻腔に噴霧(痛み少なめ)皮下/筋肉注射
回数(小児)1回/シーズン通常2回/シーズン(初回接種年齢などで異なる)
対象2~18歳(19歳未満)生後6か月以上で広い年齢層
注意点免疫不全・妊娠など生ワクチン特有の制限生ワクチンほどの制限は少ない
併用薬抗インフル薬・サリチル酸系は注意影響は相対的に少なめ
価格8000~9000円3000~5000円

当日の流れと持ち物

  1. 問診票記入(既往歴・アレルギー・服用中の薬を正確に)
  2. 鼻の状態チェック(強い鼻づまりや急性上気道炎は延期することがあります)
  3. 接種(左右の鼻へ 0.1 mLずつ)
  4. 院内で経過観察(目安15~30分)
  5. 帰宅後1~2日は激しい運動を控える。体調異変があれば医療機関へ。KEGG

どこで受けられる?費用は?

  • 任意接種(定期接種ではありません)で、取り扱いのある医療機関で実施されます。自治体の助成対象や価格は医療機関により異なるため、事前確認が安心です。
  • 製品の供給は段階的。取り扱いの有無や予約枠は早めに問い合わせましょう。

まとめ:フルミストは“痛くない”選択肢のひとつ

  • 日本でも承認・発売済みの鼻スプレー型インフルエンザワクチン。2~18歳が対象で1回/シーズンKEGG  
  • 鼻症状や微熱など軽い副反応が出やすい一方、注射が苦手なお子さんにとっては受けやすい方法。
  • 免疫不全・妊娠・重い喘息などは不可または要注意抗インフル薬やアスピリン等の併用注意もあります。問診でしっかり共有し、医師と一緒に最適な方法を選びましょう。KEGG

出典(主要部分)

  • 第一三共「フルミスト点鼻液 発売のお知らせ」(承認・発売、3価化の経緯)。
  • KEGG/JAPIC「医療用医薬品:フルミスト(添付文書)」:対象年齢、用法用量、禁忌・注意、副反応頻度等。KEGG
  • 日本小児科学会(感染症予防接種・予防対策委員会)資料:国内承認と接種開始の時期。医療法人社団 森川小児科|学園都市

(この記事は一般的な解説です。個別の接種可否やスケジュールは、必ず医師・医療機関にご相談ください。)

この記事を書いた人
たっつー

はじめまして!薬剤師の「たっつー」です。

病院で3年間の勤務を経て、現在は調剤薬局で働く5年目の薬剤師です。

ちょっとした不調、薬の選び方に迷ったときに、ふと思い出してもらえるような、頼れるブログを目指しています!

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