病院でもらった薬を飲みきれずに残してしまった経験はありませんか?
「また使うかもしれないし…」と家に置いておく人も多いですが、薬は食品と同じように使用期限があり、保存方法によっては効果が落ちたり、安全性に問題が出たりします。
今回は、余った薬をどう処分するのが正しいのか、薬剤師の立場からわかりやすく解説します。
なぜ余った薬をそのままにしてはいけないの?
薬を残して保管しておくことには、次のようなリスクがあります。
- 使用期限が切れて効果が落ちる
- 見た目が変化しなくても成分が劣化している可能性がある
- 誤って家族や子どもが飲んでしまう事故につながる
- 自己判断で古い薬を飲んでしまい、治療が遅れる危険性がある
こうした理由から、飲み残しや不要になった薬は「安全に処分」することがとても大切です。
しかし、頓服の薬(解熱鎮痛薬)など手持ちで使えると便利なものについては期限が許す限りは持っておくのもいいでしょう。
不要になった薬の正しい処分方法
1. 薬局で回収してもらう(おすすめ!)
多くの薬局では、不要になった薬を持参すると回収してくれる仕組みがあります。
薬剤師が中身を確認し、医療廃棄物として適切に処理するため安心です。
特に 抗生物質、麻薬性鎮痛薬、液体の薬 などは家庭で処分が難しいため、薬局に持ち込むのがベストです。
2. 自治体の指示に従う
一部の地域では、家庭ゴミとして捨てられる薬もあります。ただし、自治体によってルールが異なります。
- 錠剤やカプセル → 可燃ゴミとして処分できる場合あり
- 液体の薬 → 新聞紙に吸わせて密閉し、可燃ゴミに出す
- 軟膏やクリーム → 容器ごと処分する指示があることも
まずは住んでいる自治体のホームページで確認してみましょう。
3. トイレや流しに流すのはNG!
昔は「粉薬やシロップは流してしまえばいい」と考える人もいましたが、これは絶対に避けるべきです。
薬の成分がそのまま川や海に流れ出ると、環境汚染や生態系への影響につながります。
どんな薬でも「水に流す」方法は選ばないでください。
薬を残さないためにできる工夫
薬が余るのを防ぐことも大切です。
- お薬手帳で飲み合わせを管理する
- 医師に「飲みきれなかった」と正直に伝える
- 薬剤師に服薬スケジュールを相談する
こうした工夫で、処分の必要がそもそも減らせます。医療費の削減にもつながります!
まとめ
薬が余ってしまったときの正しい処分方法は次の通りです。
- 薬局に持参して回収してもらうのが一番安心で安全
- 自治体のルールを確認して家庭ゴミで処分できる場合もある
- トイレや流しに流すのは絶対にNG
薬は健康を守るための大切なものですが、不要になったときは正しく処分することが重要です。
もし薬が余って困ったときは、ぜひ薬局で薬剤師に相談してください。
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