「カプセルの薬が大きくて飲みにくい」「のどにつかえる感じがする」──こうしたお悩みはとてもよく耳にします。実際、多くの方がカプセルの服用に苦労しており、恥ずかしいことでも特別なことでもありません。今回は、カプセルが飲みにくいときに試せる工夫や、注意すべき点について薬剤師の視点から解説します。
カプセルはそのまま飲むのが基本
まず大前提として、カプセルは設計上「そのまま飲む」ことを前提に作られています。
カプセルには、
- 徐放性カプセル(ゆっくり効くタイプ)
- 腸溶カプセル(胃ではなく腸で溶けるタイプ)
などがあります。これらは、カプセルの構造によって薬の効き方が調整されているため、中身を出したり、噛み砕いたりすると効果がなくなったり、副作用が強まったりする危険があります。
「飲みにくいから」と自己判断でカプセルを開けてしまうのは避けましょう。
カプセルを飲みやすくする工夫
1. 先に水でのどを潤す
カプセルは表面がつるっとしていますが、大きさのせいでのどにひっかかりやすいことがあります。服用前に一口水を飲んでのどを潤してから服用すると、スムーズに流れやすくなります。
2. たっぷりの水で飲む
カプセルは水に浮きやすい性質があるため、少量の水ではうまく流れないことがあります。コップ1杯程度の水を用意して、しっかり流し込むようにすると安心です。
3. 服薬補助ゼリーやオブラートを活用
ドラッグストアで販売されている「服薬補助ゼリー」は、カプセルを包み込んでつるんと飲み込みやすくしてくれます。オブラートも同様に、カプセルの表面を覆うことで違和感を軽減できます。
4. 頭を少し前に傾ける
意外に知られていない方法ですが、錠剤は「頭を後ろに倒す」と飲みやすいのに対し、カプセルは「頭を少し前に傾ける」と飲みやすいと言われています。カプセルが水に浮くため、前傾姿勢のほうが流れやすくなるのです。
5. 食べ物と一緒に
一部の薬は、ヨーグルトやプリン、ジュースなどと一緒に飲んでも問題ありません。ただし薬によっては相性の悪い食品もあるため、必ず薬剤師に確認してから行いましょう。
どうしても飲めないときは?
「工夫してもやっぱり飲めない…」という場合は、自己判断せずに必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
多くの薬には、錠剤・粉薬・液剤など複数の剤形が用意されています。場合によっては小さい錠剤に変更したり、シロップに切り替えたりできることもあります。
薬を飲めなければ本来の効果は得られません。飲みにくさを我慢するより、早めに相談することが何よりも大切です。
まとめ
- カプセルは基本的に割ったり開けたりせず、そのまま飲むのがルール
- 飲みにくいときは「水でのどを潤す」「補助ゼリーを使う」「頭を少し前に傾ける」といった工夫で改善できる
- どうしても難しい場合は、剤形を変更できる可能性があるので医師・薬剤師に相談を
薬を安全に、そして無理なく続けるために、「飲みにくい」という小さな悩みも遠慮なく相談してくださいね。
 
  
  
  
  

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