〜薬剤師が教える、ムリせず続ける工夫〜
はじめに:イソバイド、がんばって飲んでますか?
「イソバイドって、とにかく飲みにくい…」
「味が苦手で、飲むたびに気合いがいる」
そんな声をよく耳にします。
イソバイドは**メニエール病などの内耳疾患(めまい・耳鳴り)**に使われる薬ですが、
その独特な味と甘ったるさで苦戦する方が少なくありません。
この記事では、薬剤師の立場から「なぜ飲みにくいのか」「どうすれば飲みやすくなるのか」を、
安全に続けられる工夫とともにお伝えします。
イソバイドってどんな薬?
イソバイド(一般名:イソソルビド)は、体の**余分な水分を外に出す「浸透圧利尿薬」**です。
めまいの原因のひとつには、「内耳(耳の奥)のむくみ」があります。
イソバイトは体内の水分バランスを整え、内耳のむくみを軽減してめまいを改善します。
多くの場合、**内服液(ドリンクタイプ)**で処方されるため、服用量が多く感じやすいのが特徴です。
飲みにくい理由は?
1. 味とにおい
イソバイドは強い甘みと独特の苦味を併せ持ち、シロップのような粘度があります。
この甘さが「しつこい」「後味が悪い」と感じやすいのです。
(私も味見したことがありますが、何とも言えないまずさでこの量を毎回飲むのはきつすぎる…!)
2. 量が多い
1回で30mL以上(場合によっては60mLなど)飲むことがあり、
「量の多さ」が心理的なハードルになります。
(もっと少ない量で服用が済む日が来ることを待ってます泣)
3. 温度や環境
ぬるい状態で飲むと風味がより強く感じられ、
体調や気分によっても「今日は特にまずい」と感じることがあります。
🌿 飲みやすくする工夫
ここからは薬剤師がおすすめする「安全にできる工夫」をご紹介します。
ただし、薬の飲み方は医師・薬剤師の指示を優先してくださいね。
✅ 1. よく冷やして飲む
冷やすと甘みやにおいがやわらぎ、飲みやすくなります。
冷蔵庫で保管可能な製剤なら、服用前にしっかり冷やしておきましょう。
じゃあ冷凍はどうなの??
※冷凍はNG!成分が変化したり、容器が破損するおそれがあります。
日医工添付文書より
上記記載がありますが、イソバイドは家庭用の冷蔵庫では凍らないため冷凍庫で冷やしても問題ないと思います。
✅ 2. ストローで一気に飲む
ストローを使うと、舌に薬が触れる時間が短くなり、味を感じにくくなります。
冷やしたイソバイトをストローで「スッと一気に」飲むのがコツです。
✅ 3. 口直しを用意する
飲んだあとにキンキンに冷えた水やお茶を少し口に含むと、後味がすっきりします。
オレンジジュースやリンゴジュース、グレープフルーツジュースの果汁濃度が高いものが比較的飲みやすいという人が多いですが、ウーロン茶やカルピスなどで飲みやすいという方もいるので自分の飲みやすいものを見つけることが大事かな、と思います。
✅ 4. 「今日は頑張れそう」と思える環境で
味に敏感なとき(疲れている・空腹時など)は無理せず、
少し落ち着いた時間帯に服用するのも大切。
服薬を続けるには、心の準備も「薬効の一部」なんです。
✅ 5. 医師・薬剤師に「他の薬があるか」相談する
もし本当に飲めない場合、ジェネリック医薬品のゼリータイプに変更することが可能かもしれません。
「飲みづらくて困っている」と正直に伝えることで、
より続けやすい形を一緒に考えることができます。
🚫 NGな工夫(やってはいけないこと)
- 独自に量を減らす・間引く(効果が得られず、症状が悪化することも)
イソバイドは、一定の間隔で飲むことが大切です。
味が苦手でも、少しずつ自分に合った「飲み方のリズム」を見つけましょう。
🌸 まとめ:飲みにくくても、意味がある薬
- イソバイドは「内耳のむくみ」を取って、めまいを軽くする薬。
- 味や量で飲みにくいことが多いが、冷やしたりストローを使うと飲みやすい。
- 続けられない場合は、薬剤師や医師に遠慮なく相談を。
薬は「飲み方」ひとつで続けやすさが変わります。
少しの工夫で、治療がずっと楽になりますよ。
🩺 薬剤師からひとこと
「味が苦手=我慢が足りない」ではありません。
薬を続けるコツは、“無理をしない工夫”を見つけることです。
一緒に続けられる方法を考えていきましょうね。
 
  
  
  
  

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