はじめに:薬を飲んだら眠くなった…これって大丈夫?
風邪薬や花粉症の薬を飲んだあと、「すごく眠くなる」「集中できない」と感じたことはありませんか?
薬の中には、脳の働きを少し抑えることで症状を落ち着かせるタイプのものがあり、それが眠気の原因になることがあります。
まず大切なのは、眠気が出る=悪い薬というわけではないということ。
体の反応を落ち着かせるために必要な働きの場合も多いのです。
💡この記事では、眠気が出やすい代表的な薬とその理由、そして日常生活での工夫について薬剤師がわかりやすく解説します。
※なお、実際の服用方法は必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
1. 眠気が出やすい薬の代表例
① 花粉症やかゆみ止めに使う「抗ヒスタミン薬」
- 代表的な薬: アレグラ、クラリチン、アレジオン(眠気少なめ)/ポララミン、レスタミン(眠気強め)
- 眠気の原因:
 ヒスタミンという物質は、かゆみを引き起こすだけでなく「目を覚ます作用」にも関係しています。
 その働きをブロックすることで、アレルギー症状を抑えると同時に脳もリラックス状態になり、眠気が出やすくなります。
② 風邪薬・鼻炎薬(総合感冒薬)
- 代表的な薬: パブロン、ルル、ベンザブロック など
- 眠気の原因:
 これらには「抗ヒスタミン成分」や「鎮咳(せき止め)成分」が含まれており、
 脳の興奮を抑える働きがあるため眠気が出やすくなります。
 特に「鼻水・くしゃみ止め」目的の成分が眠気を強く感じる原因です。
 アレルギー薬の選び方は↓の記事で詳しく解説しています
③ 睡眠薬・抗不安薬
- 代表的な薬: デパス(エチゾラム)、マイスリー(ゾルピデム)など
- 眠気の原因:
 神経の働きを鎮め、リラックスさせることで不安や緊張を和らげる薬です。
 眠るために使用することもあるため、当然ながら、眠気が主な効果として現れます。
 朝まで眠気が残る場合は、用量や服用時間を医師と相談しましょう。
④ 乗り物酔い止め薬
- 代表的な薬: トラベルミン、アネロン
- 眠気の原因:
 内耳(バランスを感じる部分)の働きを落ち着かせる成分に「抗ヒスタミン作用」があるため、
 船酔いは防げても眠気が出やすくなります。
2. 眠気を感じたときの注意点と対処法
🚗 運転や機械操作は避けましょう
眠気が出る薬を服用中は、自動車の運転・機械操作・高所作業は控えるようにしましょう。
事故につながる危険があります。
🕐 飲む時間を調整する
朝飲むと日中に眠気が強く出る場合は、夜に服用できるか薬剤師に相談を。
薬の種類によっては、飲む時間を変えるだけで生活がぐっと楽になります。
💧 水分をしっかりとる
眠気が強いときは、軽いストレッチや水分補給でリフレッシュするのも効果的。
ただし、眠気が強いまま無理をして活動するのは危険です。
3. 眠気の少ない薬を選ぶこともできる
近年は、**「第2世代抗ヒスタミン薬」**のように、
脳に入りにくく眠気の出にくい成分が多く使われています。
眠気の少ない例
- アレグラ(フェキソフェナジン)
- クラリチン(ロラタジン)
- アレジオン(エピナスチン)
💊 自分に合う薬を選ぶときは、
「眠気をできるだけ避けたい」と薬剤師に伝えるのがおすすめです。
まとめ:眠気は薬の“働きの一部”。上手に付き合いましょう
- 眠気は多くの場合、「薬がきちんと効いているサイン」でもあります。
- どうしても困る場合は、薬の種類や飲む時間を調整することで改善できることも。
- 不安があるときは、自己判断せず薬剤師に相談してください。
 
  
  
  
  


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