「鉄分不足と貧血って同じじゃないの?」
「鉄分が足りないと、必ず貧血になるの?」
このような疑問を持ったことはありませんか?
実は、「鉄分不足」と「貧血」は似ていますが、同じ意味ではありません。
鉄分不足の段階で気づいて対策を始めることで、貧血を予防できる場合もあります。
今回は、鉄分不足と貧血の違いや症状、改善方法について、薬剤師がやさしく解説します。
鉄分不足とは?
鉄分不足とは、体の中の鉄が不足している状態をいいます。
鉄は、血液中で酸素を運ぶ「ヘモグロビン」を作るために欠かせない栄養素です。
しかし、鉄分が不足していても、すぐに貧血になるわけではありません。
最初は体内に蓄えられている鉄(貯蔵鉄)が使われるため、自覚症状がないことも多いのです。
貧血とは?
貧血とは、血液中のヘモグロビンの量が少なくなった状態です。
ヘモグロビンが不足すると、全身へ酸素を十分に運べなくなり、さまざまな症状が現れます。
つまり、
鉄分不足=原因の一つ
貧血=結果として起こる状態
というイメージです。
例えるなら、
「鉄」は車のガソリン、
「ヘモグロビン」は車そのものです。
ガソリンが少なくなっても、すぐには車は止まりません。
しかし、そのまま走り続けると、やがて車が動かなくなります。
鉄分不足から貧血になる流れも、これとよく似ています。
鉄分不足で現れやすい症状
鉄分不足の初期には、自覚症状がないこともあります。
進行すると、
・疲れやすい
・集中力が続かない
・立ちくらみ
・頭痛
・だるさ
などを感じることがあります。
貧血で現れやすい症状
貧血になると、酸素が全身に行き渡りにくくなるため、症状がより強く現れることがあります。
例えば、
・めまい
・息切れ
・動悸
・顔色が悪い
・疲れやすい
・立ちくらみ
などです。
症状が強い場合は、日常生活に支障をきたすこともあります。
鉄分不足の主な原因
鉄分不足は、さまざまな原因で起こります。
月経
女性は毎月の月経で鉄分を失うため、不足しやすいといわれています。
妊娠・授乳
赤ちゃんの成長や母乳のために、通常より多くの鉄が必要になります。
食生活の偏り
肉や魚を食べる機会が少ないと、鉄分が不足しやすくなります。
消化管からの出血
胃や腸からの出血、痔などが原因で鉄不足になることもあります。
特に男性や閉経後の女性で鉄欠乏が見つかった場合は、原因を調べるために医療機関で相談することが大切です。
改善するにはどうすればいい?
食事を見直す
鉄分を多く含む食品を意識して取り入れましょう。
おすすめは、
・赤身の肉
・レバー
・あさり
・かつお
・小松菜
・大豆製品
などです。
ビタミンCも一緒に摂る
ビタミンCは鉄の吸収を助ける働きがあります。
果物や野菜を組み合わせると効率よく鉄分を摂取できます。
鉄剤が必要な場合もある
貧血の程度によっては、食事だけでは改善が難しいことがあります。
その場合は、医師が鉄剤を処方することがあります。
自己判断でサプリメントだけに頼らず、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
こんな症状がある場合は受診を
次のような場合は、医療機関で相談することをおすすめします。
・息切れや動悸が続く
・立ちくらみを繰り返す
・顔色が悪いと言われる
・月経量が非常に多い
・健康診断で貧血を指摘された
血液検査を行うことで、鉄分不足なのか、ほかの原因による貧血なのかを調べることができます。
よくある質問
Q. 鉄分不足なら必ず貧血になりますか?
いいえ。
鉄分不足の初期では、ヘモグロビンの値が正常なこともあります。
早めに気づいて食事や生活習慣を見直すことで、貧血を予防できる場合があります。
Q. サプリメントだけで改善できますか?
サプリメントは不足しがちな栄養を補うための一つの方法ですが、貧血の原因によっては治療が必要になることもあります。
症状が続く場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
鉄分不足と貧血は似ていますが、同じものではありません。
・鉄分不足は「体内の鉄が足りない状態」
・貧血は「ヘモグロビンが不足した状態」
・鉄分不足が進行すると鉄欠乏性貧血になることがある
・食事の見直しや早めの対策が大切
・症状が強い場合や健康診断で指摘された場合は医療機関を受診する
「なんとなく疲れやすい」「立ちくらみが増えた」と感じたら、自己判断で済ませず、必要に応じて医師や薬剤師へ相談しましょう。

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