「なんとなくだるい」は脱水のサインかも?
「暑い日に外を歩いたら、なんだか体がだるい」
「頭が痛くて、少しふらふらする」
「汗をたくさんかいたけど、水を飲むのを忘れていた」
夏になると、このような経験をする方も多いのではないでしょうか。
暑い季節に気をつけたいのが「脱水」です。
脱水とは、汗や尿などによって体から失われた水分を、十分に補給できていない状態のことです。
特に夏は汗をかく量が増えるため、気づかないうちに水分が不足することがあります。
さらに脱水が進むと、熱中症につながることもあります。
今回は、脱水症状のサインや原因、正しい水分補給の方法について、薬剤師がやさしく解説します。
脱水症状はなぜ起こる?
私たちの体は、水分を使って体温を調節したり、血液を循環させたりしています。
暑い場所にいると、体は汗をかいて熱を逃がそうとします。
このとき、汗で失われた水分や塩分を十分に補給できないと、体の中の水分バランスが崩れてしまいます。
これが脱水につながります。
特に、
- 暑い日に外で活動した
- スポーツで大量に汗をかいた
- 長時間お風呂に入った
- 発熱や下痢、嘔吐がある
- お酒を飲んだ
- 食事や水分をあまりとっていない
といった場合は、水分が不足しやすくなります。
環境省も、のどが渇く前からこまめに水分をとることを勧めています。
脱水症状にはどんなサインがある?
脱水が起こると、体にはさまざまな変化が現れます。
代表的なものは、
- のどが渇く
- 尿の量が少ない
- 尿の色が濃くなる
- 口や唇が乾く
- だるい
- めまい、立ちくらみ
- 頭痛
- 吐き気
- 筋肉がつる
などです。
ただし、のどの渇きだけを目安にするのはおすすめできません。
特に高齢者では、脱水状態になっていても「のどが渇いた」と感じにくい場合があります。
「今日はあまり尿が出ていない」「いつもより体がだるい」といった変化にも注意しましょう。
脱水と熱中症は同じ?
似ていますが、完全に同じではありません。
脱水は、体内の水分が不足している状態です。
一方、熱中症は、高温多湿な環境によって体の体温調節機能がうまく働かなくなり、さまざまな症状が起こる状態です。
脱水は熱中症につながる要因の一つと考えられます。
熱中症では、めまいや頭痛、吐き気、倦怠感などが現れることがあり、重症になると意識障害やけいれんなどが起こることもあります。
脱水を防ぐにはどうすればいい?
こまめに水分をとる
一度に大量の水を飲むより、こまめに水分をとることを意識しましょう。
「のどが渇いてから飲む」のではなく、外出前や運動前など、早めに水分をとっておくことも大切です。
特に、
- 起床後
- 外出前
- 運動中・運動後
- 入浴前後
- 就寝前
などは、水分をとるタイミングとして意識してみましょう。
普段の水分補給なら「水」でもOK
日常生活でそれほど汗をかいていない場合は、水やお茶などで水分を補給できます。
ただし、汗を大量にかいた場合は、水分だけでなく塩分なども失われます。
そのような場合には、水分と電解質を補給できる飲料を利用することもあります。
経口補水液はいつ飲む?
「脱水には経口補水液を飲めばいい」と思っている方もいるかもしれません。
経口補水液は、水分と電解質を補給するための飲料です。
特に、下痢や嘔吐、発熱、大量の発汗などによって脱水が疑われる場合に利用されます。
ただし、普段の水分補給として誰にでも必要なものではありません。
また、ナトリウムなどを含むため、塩分や水分の摂取について医師から制限を受けている方は、自己判断で飲まず、主治医や薬剤師に相談しましょう。
スポーツドリンクなら何でもいい?
スポーツドリンクは水分や電解質を補給する選択肢の一つです。
ただし、商品によって糖分や電解質の量は異なります。
「脱水=スポーツドリンク」と決めつけるのではなく、そのときの状態に合わせて選ぶことが大切です。
特に糖分や塩分の摂取量に注意が必要な方は、医師や薬剤師に相談してください。
脱水が疑われるときの対処法
暑い場所で「脱水かもしれない」と感じたら、まず無理をしないことが大切です。
1. 涼しい場所へ移動する
エアコンの効いた室内や日陰など、涼しい場所へ移動しましょう。
2. 衣服をゆるめる
体に熱がこもらないよう、衣服をゆるめて楽な姿勢で休みます。
3. 水分・塩分を補給する
自分で飲める状態であれば、水分や必要に応じて塩分を補給します。
厚生労働省も、熱中症が疑われる場合には、涼しい場所で体を冷やし、水分・塩分や経口補水液などを補給するよう案内しています。
こんな場合はすぐに医療機関へ
次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 自分で水分を飲めない
- 意識がもうろうとしている
- 呼びかけても反応がおかしい
- 意識を失った
- けいれんがある
- 体が非常に熱い
- 水分をとっても症状が改善しない
特に、自力で水分を飲めない、意識がない場合は、すぐに救急車を要請してください。
「もう少し様子を見よう」と無理をするのは避けましょう。
子どもと高齢者は特に注意
子どもは自分から「水が飲みたい」と伝えられないことがあります。
遊びに夢中になって、水分補給を忘れてしまうこともあります。
外で遊ぶときは、大人がこまめに休憩と水分補給を促しましょう。
高齢者の場合も、のどの渇きを感じにくくなることがあります。
「本人が欲しがらないから大丈夫」と考えず、こまめに水分をとるよう声をかけることが大切です。
薬を飲んでいる方も注意しましょう
服用している薬によっては、脱水状態になりやすくなる場合があります。
例えば、利尿作用のある薬は尿量を増やすことで体内の水分が減りやすくなることがあります。
ただし、自己判断で薬を中止するのは避けてください。
特に夏場の体調管理について不安がある場合は、医師・薬剤師の指示を優先し、現在飲んでいる薬について相談しましょう。
まとめ
夏の脱水は、気づかないうちに起こることがあります。
ポイントは、
- のどが渇く前からこまめに水分をとる
- 汗を大量にかいたときは水分と電解質を意識する
- 暑い場所では無理をせず、こまめに休憩する
- 子どもや高齢者は周囲の人が水分補給をサポートする
- 意識がおかしい、自力で水分を飲めない場合はすぐに救急要請する
ことです。
「少しだるいだけ」と思っていても、脱水が隠れていることがあります。
特に暑い日は、外出前からこまめな水分補給を心がけて、無理をしないようにしましょう。
体調や持病、服用している薬などについて不安がある場合は、医師や薬剤師へ相談してください。

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