「子どもが風邪をひいたけど、どの薬を選べばいい?」
「大人用の風邪薬を少し減らして飲ませてもいい?」
「熱、鼻水、咳……全部まとめて治してあげたい」
子どもが風邪をひくと、薬を飲ませるべきか、どの薬を選べばいいのか迷いますよね。
ドラッグストアには「子ども用」「小児用」と書かれた風邪薬もたくさんあります。
しかし、子どもの薬は大人の薬を量だけ減らせばよいわけではありません。
年齢や体重、症状によって使える薬が異なるため、注意が必要です。
今回は、子どもの風邪薬を選ぶときに知っておきたいポイントを、薬剤師がやさしく解説します。
子どもの風邪薬は「症状」と「年齢」で選ぶ
風邪薬を選ぶとき、まず確認したいのが、
「何歳の子どもが、どんな症状で困っているのか」
です。
例えば、
- 熱がつらい
- 鼻水が止まらない
- 鼻が詰まって眠れない
- 咳が続いている
- のどが痛い
など、症状によって考え方が変わります。
風邪薬には複数の成分が入っているものもあります。
そのため、「風邪だから風邪薬」という選び方ではなく、今いちばんつらい症状は何なのかを考えることが大切です。
熱があるときは「熱の高さ」だけで判断しない
子どもが熱を出すと、すぐに解熱剤を使いたくなるかもしれません。
しかし、解熱剤は病気そのものを治す薬ではなく、発熱によるつらさを一時的に和らげるために使われます。
例えば、
「熱は高いけれど、水分もとれていて元気」
という場合と、
「熱があって、つらそうで水分もとれない」
という場合では、対応が異なることがあります。
解熱剤を使う場合も、年齢や体重に合ったものを選ぶことが重要です。
咳があるときは、まず「呼吸」をチェック
咳が出ていると、咳止めを飲ませたくなることがあります。
しかし、子どもの咳にはさまざまな原因があります。
風邪による咳だけでなく、喘息や気管支炎などが隠れている場合もあります。
特に、
- 息苦しそう
- 呼吸が速い
- ゼーゼー、ヒューヒューしている
- 顔色が悪い
- 唇が青白い
- 咳がひどく眠れない
といった場合は、市販薬で様子を見るよりも医療機関への相談を優先しましょう。
鼻水・鼻づまりは薬以外の方法も
子どもの鼻水や鼻づまりは、薬だけに頼らなくても対応できる場合があります。
例えば、
- 鼻水をこまめに拭く
- 鼻吸い器を使用する
- 部屋の乾燥を防ぐ
- 水分をとらせる
- 横になると苦しい場合は上半身を少し起こす
などです。
特に小さな子どもは自分で鼻をかめないため、鼻水を吸ってあげるだけでも楽になることがあります。
「子ども用」と書いてあれば安心?
必ずしもそうとは限りません。
市販薬は商品によって、
- 使用できる年齢
- 1回の量
- 1日の回数
- 使用できる期間
- 含まれている成分
が異なります。
そのため、パッケージの「使用年齢」や「用法・用量」を確認することが大切です。
「小児用」と書かれている薬でも、年齢によって使用できないことがあります。
大人用の風邪薬を子どもに飲ませてもいい?
自己判断で大人用の風邪薬を子どもに飲ませるのは避けましょう。
「大人の半分なら大丈夫」と考えるのは危険です。
薬は単純に体重に比例して量を減らせばよいとは限りません。
また、風邪薬には複数の成分が含まれていることがあり、子どもには適さない成分が含まれている場合もあります。
子どもに使用できるか分からない場合は、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
特に小さな子どもは慎重に
年齢が低いほど、市販の風邪薬を自己判断で使用する際には注意が必要です。
厚生労働省は、現在のかぜ薬等の使用上の注意について、2歳未満の乳幼児では医師の診療を優先する旨を示しています。
また、コデインやジヒドロコデインを含む一般用医薬品については、小児への使用に関して注意事項が設けられています。
「少し咳が出ているだけだから」と、家にある大人用の咳止めを飲ませるのはやめましょう。
こんなときは市販薬より受診を優先
次のような場合は、自己判断で市販薬を使用するより、医療機関へ相談しましょう。
- 呼吸が苦しそう
- 水分がとれない
- 何度も吐いている
- ぐったりしている
- 意識がおかしい
- 顔色が悪い
- けいれんがある
- 症状がどんどん悪化している
- 高熱が続いている
- 乳幼児で症状が強い
特に、呼吸がおかしい、意識がもうろうとしている、水分がとれないなどの症状がある場合は、早めの医療機関への相談が必要です。
迷ったら「症状を全部抑える」より必要なものを選ぶ
風邪薬を選ぶときは、
「とりあえず全部入っている総合風邪薬」
ではなく、
「今、子どもが一番つらそうなのは何か?」
と考えてみましょう。
例えば、
熱でつらそう
→ 解熱剤について相談
鼻水・鼻づまりがつらそう
→ 鼻のケア+必要に応じて薬を検討
咳が気になる
→ 呼吸状態を確認し、必要に応じて受診
というように考えると分かりやすくなります。
子どもの薬選びで薬剤師に伝えるといいこと
ドラッグストアや薬局で相談するときは、次の情報を伝えるとスムーズです。
- 子どもの年齢
- 体重
- いつから症状があるか
- 一番つらい症状
- 発熱の有無
- 現在飲んでいる薬
- 持病やアレルギー
- 以前薬で具合が悪くなったことがあるか
特に年齢と体重は重要です。
「5歳です」だけでなく、「体重は18kgです」のように伝えられると、薬剤師も確認しやすくなります。
まとめ
子どもの風邪薬は、単純に「子ども用」と書いてあるものを選べばよいわけではありません。
大切なのは、
- 年齢と体重を確認する
- 今一番つらい症状を考える
- 大人用の薬を自己判断で使わない
- パッケージの使用年齢・用法用量を確認する
- 小さな子どもは特に慎重にする
- 呼吸が苦しい、水分がとれない、ぐったりしている場合などは受診を優先する
ことです。
風邪薬は症状を楽にするためのものですが、すべての症状に薬が必要とは限りません。
「この薬を飲ませても大丈夫かな?」と迷ったら、自己判断せず、医師・薬剤師の指示を優先してください。
市販薬を使用する場合も、商品の説明書を確認し、分からないことは薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

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