一包化された薬の保管方法は?湿気や光に注意したい薬を薬剤師が解説

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「薬を一包化してもらったけれど、家ではどこに置いておけばいい?」

「薬箱に入れておけば大丈夫?」

「冷蔵庫に入れたほうが長持ちするの?」

毎日飲む薬を一包化してもらっている方は、このような疑問を感じることがあるかもしれません。

一包化とは、複数の薬を「朝食後」「夕食後」など、飲むタイミングごとに1袋にまとめることです。飲み忘れや飲み間違いを防ぎやすくなる便利な方法ですが、薬によっては湿気や光の影響を受けやすいものがあります。

特に、一包化するとPTPシートから薬を取り出しているため、薬によっては保管方法に少し注意が必要です。

この記事では、一包化された薬を自宅で保管するときのポイントを、具体的な薬の例を挙げながら薬剤師が解説します。

一包化した薬は「高温・多湿・直射日光」を避けるのが基本

まず覚えておきたいのが、

「暑い・湿気が多い・日光が当たる場所を避ける」

ということです。

薬は温度や湿度、光などの影響によって、見た目が変わったり、成分が変化したりする可能性があります。

一包化された薬は、もともとのPTPシートや瓶から取り出されているため、薬によっては特に湿気や光への注意が必要です。

自宅ではどこに置けばいい?

おすすめなのは、

  • 直射日光が当たらない
  • 湿気が少ない
  • 温度変化が少ない
  • 水がかかりにくい

場所です。

たとえば、リビングの引き出しや薬専用の収納ケースなどが候補になります。

反対に、洗面所や浴室の近く、コンロの周辺、窓際などは避けたほうが安心です。

冷蔵庫に入れれば安心、とは限りません

「薬は冷やしたほうが傷みにくそう」と考えて、冷蔵庫に保管したくなる方もいると思います。

しかし、冷蔵保存の指示がない薬を自己判断で冷蔵庫に入れるのはおすすめできません。

冷蔵庫の中は湿気が多く、冷蔵庫から出したときの温度差によって結露が起こることもあります。

そのため、「冷蔵庫に入れておけば安心」というわけではありません。薬に冷所保存の指示がある場合は別ですが、基本的には薬袋や薬剤師から説明された保管方法を優先しましょう。

特に注意したいのが「湿気に弱い薬」

一包化で特に気をつけたいのが、吸湿性の高い薬です。

吸湿性とは、薬が空気中の水分を吸いやすい性質のことです。

湿気を吸うと、錠剤が変形したり、割れたり、崩れやすくなったりすることがあります。

ベルソムラはPTPシートのまま保管する薬

睡眠薬のベルソムラ(スボレキサント)は、添付文書に、

「光及び湿気を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出すこと」

と記載されています。

そのため、ベルソムラは「他の薬と一緒に一包化しておけばいい」と簡単には考えられません。

一包化されている場合は、薬局でどのような方法で調剤されているかを確認し、自己判断で別の容器に移し替えないようにしましょう。

エンレストも湿気に注意

心不全や高血圧などに使用されるエンレスト(サクビトリルバルサルタン)は、湿気に注意が必要な薬の一つです。

メーカーは、PTPや瓶から取り出した状態で保存した錠剤について、吸湿によって錠剤が変形した事例が報告されていると案内しています。相対湿度60%を超えると非常に吸湿性が高くなるとの情報もあります。

一包化されている場合は、特に湿気の多い場所を避けることが大切です。

「エンレストを一包化してもらっているけど大丈夫かな?」と気になる場合は、処方医や薬剤師に確認してみましょう。

「光」に注意が必要な薬もあります

薬の中には、湿気だけでなく光の影響を受けやすい薬もあります。

このような薬では「遮光保存」という指示が出ることがあります。

遮光とは、簡単にいうと光が当たらないようにして保管することです。

ワーファリンは日光を避けて保管

血液を固まりにくくする薬として使用されるワーファリン(ワルファリン)は、患者向医薬品ガイドで、

「日光を避けて室温(1~30℃)で保管」

とされています。

一包化されている場合も、窓際など日光が直接当たる場所に置くのは避けましょう。

薬局から遮光袋を渡されている場合は、その袋に入れたまま保管するのがおすすめです。

フロセミドも光に注意

利尿薬として使用されるフロセミドも、製品によって「光と湿気を避ける」「開封後は光を避ける」といった保管上の注意があります。

実際に、あるフロセミド錠の添付文書では「光によって徐々に着色する」とされ、包装開封後は遮光して保存するよう記載されています。

つまり、同じ「一包化された薬」でも、

湿気に弱い薬

光に弱い薬

湿気と光の両方に注意が必要な薬

など、それぞれ特徴が異なります。

一包化された薬を保管するときの5つのポイント

自宅では、次の5つを意識するとよいでしょう。

① 直射日光を避ける

窓際や車の中など、日光が直接当たる場所は避けましょう。

② 湿気の多い場所を避ける

浴室や洗面所の近くなどは避け、できるだけ乾燥した場所に置きましょう。

③ 高温になる場所に置かない

夏場の車内や、コンロ・暖房器具の近くなどは避けましょう。

④ 薬を別の袋や容器に移し替えない

一包化された袋には、薬の名前や服用方法など大切な情報が記載されていることがあります。

また、薬によっては専用の包装が保管上の役割を持っている場合もあります。

⑤ 遮光袋や専用容器を渡されたら、そのまま使う

薬局から「この袋に入れて保管してください」と説明された場合は、その指示に従いましょう。

こんなときは薬剤師に相談しましょう

一包化された薬について、次のようなことがあれば自己判断で飲み続けず、薬剤師に相談してください。

  • 錠剤の色が変わっている
  • 錠剤が湿っている
  • 錠剤が柔らかくなっている
  • 錠剤が崩れている
  • 袋の中で薬が変形している
  • どこに保管すればいいかわからない
  • 一包化されている薬に、湿気や光に弱い薬が含まれている

特に、薬の見た目が以前と明らかに違う場合は、自己判断で「大丈夫だろう」と飲むのではなく、薬剤師に確認することをおすすめします。

まとめ|一包化した薬は「湿気・光・温度」に注意

一包化は、薬の飲み忘れや飲み間違いを防ぐためにとても便利な方法です。

一方で、PTPシートや瓶から薬を取り出すことで、薬によっては湿気や光の影響を受けやすくなります。

特に、

  • ベルソムラなど、湿気や光に注意が必要な薬
  • エンレストなど、吸湿性に注意が必要な薬
  • ワーファリンなど、日光を避けて保管する薬
  • フロセミドなど、光や湿気に注意が必要な製品

などがあります。

そのため、「一包化された薬は全部同じように保管すればいい」とは限りません。

基本は、高温・多湿・直射日光を避けること。

そして、薬局から特別な保管方法を説明されている場合は、その指示を優先しましょう。

「この薬、一包化して大丈夫?」

「家ではどこに置けばいい?」

と少しでも気になる場合は、薬の名前を伝えて薬剤師に確認するのがおすすめです。

薬の保管方法は、自己判断で変更せず、医師や薬剤師から受けた指示を優先してください。

この記事を書いた人
らび

はじめまして!薬剤師の「らび」です。

病院で3年間の勤務を経て、現在は調剤薬局で働く6年目の薬剤師です。

ちょっとした不調、薬の選び方に迷ったときに、ふと思い出してもらえるような、頼れるブログを目指しています!

どうぞよろしくお願いします!

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